あるのかないのかわからない

お題「もう一度行きたい場所」

もう一度行きたい場所、、、それは蕎麦屋。

その蕎麦屋、遠く北の地は北海道にある。多分。
なぜ多分なのかといえば、最後に行ったのが20年以上前だから。
その頃、私は北海道で生き物を扱う仕事をしていた。
月3日の休みは、苫小牧へ行ったり札幌へ行ったりと、車が無いなりに大いに楽しんだ。
そんな中、職場が掲載されたある雑誌でその蕎麦屋の存在を知った。仕事場の近くにこんな店があったのかと驚いた。そして紹介文にも驚いた。紹介文には『とても蕎麦が太い』とあった。
苫小牧や札幌に行くのも飽きていたし、ちょうど自転車やバイクで移動するのがいい時期だったので、次の休みは自転車を借りてそこに行くことに決めた。
好天に恵まれたので、いそいそと出かけた。

店内は古い日本家屋で薄暗く、平日のせいか昼時なのに閑散としていた。
私は『安く腹が膨れれば良い』という思考だった頃にしては珍しく、高めの天ぷら蕎麦を頼んだ。
やってきたそれは、たしかに太かった。記事を見る数日前に、寮の昼食で出た蕎麦より太かった。
それがうどんと違うのは小麦粉では無く蕎麦粉で作られているからなのだが、何も知らずにこの店に来てコレが出て来たら、細い蕎麦しか知らな人はかなり面食らうと思う。

肝心の味のことは忘れた。
でも、噛みごたえのある蕎麦だったのは間違いない。なんせ、うどんと大差ないほど太かったのだから。

再び北海道に行く事ができたら、まだ店が同じ場所にあったらもう一度行きたい。
でも、それは叶わないな、だって店の名前も忘れたもの、、、。